所感: ビジネス知識源プレミアム 2022/04/29号

前の号の要約を書く前に、次の号が出てしまいました。最近は増刊号含めて週2ペースで発行されています。

遡ってでも毎号書こうとすると、溜まっていって書くのを辞めてしまうと思うので、こういう時はスパッと前号を飛ばす事にします。

内容は経済の時事ネタですから、遡ってまで追いかけなくても良いでしょ。

 

要約: Vol.1230:緊急増刊:1ドル130円台の、円安の意味

 

※カッコ内は私の感想です。

・今号は、急激に進む円安についての考察です。

 

■1.1ドル130円の円安

・2020年12月(コロナ前)は103円

 2022年03月(ウクライナ戦争勃発)114円

 →2020年12月に対して27円(26%)、22年3月初旬に対して16円(14%)の円安

・米国長期金利 2.9%、日本 0.25%

    →金利差2.65%に拡大した事が円安の理由

・日銀の見解: 日本のCPIは2022年を通じても1.9%

    →金利0.25%になるまで指値買いする

 (1.9%と言う数字には恣意的なものを感じますね、2%だと金融緩和を停止しないといけないから、意地でも言いたく無いんだろうなと。)

・米国は利上げする、22年12月には3.5%付近に上がる可能性が高い。

・物価が7.4%に上がっているユーロも米国の金融引き締めのあとを追う。

・●日本の物価は、他国と違い、政府の石油元売り会社への補助金(1リットル35円:約20%:総額1.5兆円)や、電力会社への補助金、食糧安定供給対策(5000億円)、中小企業への無担保・無利子貸付金(1.3兆円)により、抑えられています。(注)低所得世帯の子供に対しては1律5万円支給。これは物価のプラス要素です。

 

政府の緊急対策は、総額が6.2兆円、CPIに対して2%に当たります。基底のインフレ率は、CPIが2%のとき、5%です。

(抜粋しました。この視点は今まで有りませんでした。物価が上がると金利を上げないといけないから、気前よく補助金を出すのですね。人気取り(選挙対策)だと思っていました。

 ところで、CPI 2%に緊急対策による物価押し下げ2%を足したら4%なんじゃ無いですかね?なぜに5%?)

・今のところは、22年秋(9月)までは、0.25%を上限にする金融緩和を続けるつもりでしょう。

(時期は著者予想)

・今後、金利の低い円で借りて、金利の高い米国債を買う、円キャリートレードにより一層円が下がる。

・円キャリーによる金利の高い新興国通貨への投資もある。2021年以降、BRICsの通貨は軒並み上がっている。

 

■2.インフレのなかで、日銀が利上げができない理由

・問題は、1200兆円の既発国債があること

(この辺の話は既に繰り返し述べられてきた事ですね、飛ばしていきます)

 

■3.今後の日本の、金融危機

・1ポイントの金利上昇でも国債バブル崩壊による金融危機が起こる

(これも繰り返し述べられてきました。本編では詳しく述べられていますが、ここでは飛ばしていきます。)

・(国債時価が暴落して)日銀が債務超過になると、強烈な「円先物売り(円の売りあびせ)」が起こる

(これはどうなんでしょうか?国債時価評価によって債務超過と見做されるのか?もですし、そうなったからって売り浴びせになるのか?も、必ずしも一対一の対応では無いと思います。もちろん円が売られる傾向には間違いないと思っていますが)

・実は、ヘッジファンドとインデックスファンドは、量的緩和後の日銀の、金利上昇(国債価格下落)による債務超過になる時期を(今日も)狙い、レバレッジが10倍かかる円先物売り(FX)の機会を待っています。

(最初の方の論では、円の金利が低い事が円安の理由でしたよね。そして日銀のその政策を非難している。ここでは金利を上げると円が売られる(暴落)と言っています。であれば、現在の日銀の政策は正解という事なりませんかね?)

 

■4.米国株の下落が、本格化した模様

・米国ナスダックに、FRBの利上のマイナスの影響が、最初に大きく出ている。

・【日米の株価下落幅:22年4月】
・ナスダック   1万4500→1万2800:-1700(-12%)
・NYダウ     3万5000→3万3780:-1220(-3.5%)
・S&P500       4580 →4287  :-293(-6.4%)
日経平均     2万7820→2万6847:-973(-3.5%)

・ピークから30%下げると、株主のファンドに大きな損が生じ、株と国債の売りが売りを呼ぶ、金融危機になる。

・2022年に米国株、欧州株、日本株が上がる要素はほぼなくなっている。

・コロナ危機(2020年3月)のあと、株価を上げてきた金融の要素(FRB、ECB、日銀で1000兆円のマネー増発)が反転し、
・2022年末には、日・米・欧同時の金融危機の様相が、濃くなります。

(これも著者予想)

 

所感

・要約内のカッコ書きで私の所感はほとんど書いてしまった気がします。

・著者はすぐに「金利が上がって財政破綻」と言いますが、そんな一本道では無い様に思います。「風が吹けば桶屋が儲かる」に聞こえます。著者自身、経済は複雑系で変数が多いから予測不能とよく言っていますが、これだってそうでしょう?

・めちゃくちゃまとめると、

 円安の理由は米国との金利差 →円キャリートレードでさらに米国債が買われて円安になる →米国金利上昇により株価は下落

 でしょうか。

・米国との金利差が円安の原因で、金利が上がると株も下がるんですよという事で有れば、シンプルに米ドルを買えば良いと言う事になりますよね?

・でも問題は、円で持ってるよりドルの方がマシだけど、インフレに対して十分なヘッジにならない事です。

・米国だってGDP比125%の国債発行があるので、十分な利上げが出来ないでしょうし、株価を暴落させる様な利上げはやらないでしょう。これからも国債発行し続ける(ドルを刷りまくる)でしょうし、貨幣としての米ドルの価値は下がるはずです。

・著者は金とスイスフランス推しですが、スイスフランスってどうなんでしょうか?対ドルで見て近年はそんなに上がってないし、直近1ヶ月は右肩下がりなのが気になります。

・米国が結局十分な利上げが出来ないとするならば、株価のバブルは膨らみ続けるはずで、そうなると米国株になりますかねー。

・「これ」と言った投資対象が無くてヤキモキしますわ。

 

今日はこの辺で。