所感: ビジネス知識源プレミム 2022/04/20号

所感:金とコモディティ・リンク通貨の理論と仕組み(2)

 

前回からの同テーマの続きです。

ものすごい簡単に要約して行きます。カッコ内は私のコメントです。

 

・序章

まず、急激な円安について述べています。

【原因1】日銀の指値オペによって金利を抑えている。→利上げをしているドルに対して下がる。

(これには疑問の余地はありませんね。FRBは今年度あと6回利上げを予定していますから、日銀が金利を抑え続けるのであれば、この差は開く一方だと思われます。)

 

【原因2】貿易赤字の増加

資源、食料価格高騰により、貿易赤字国に転落した。

貿易赤字国の通貨は下がる物、と言う事ですね。そう簡単に1対1の関係が成立するのか、その知識が無いので分かりませんが(貿易赤字でもその通貨が買われる事はないのか?)、一般論としては正しそうです)

 

次に、ロシアをG20から排除する決議に対して、9カ国が反対(棄権含む)した事が述べられています。西側メディアが言う様に、世界はロシア制裁で1枚岩ではない。中東はイスラエルを除いて親ロシアに変わっている。

(ここは覚えておいて損はないでしょう。)

 

(次にバイデンがネオコン側である事を引き合いにこの戦争について語られていますが、著者のバイデンvsトランプに関する記述は偏りを感じるので話半分に読み飛ばしましょう)

 

1. 金兌換停止の歴史

・戦後のイギリスの金融抑圧を例に出して、現在の日銀の政策は同じであると解説しています。戦後イギリスと同じスタグフレーションの悪化になると。

 

2. 日本の金融ビッグバンでは、マネーの海外流出(ドル買い)が起こった。

・日本からは、1年平均で30兆円の金融機関と政府によるドル買いと工場の海外移転が起こった。

・日本経済が成長しなくなったのは、

  高齢化(金融の担保の地価の下落)

  金融ビッグバン(円売り、ドル買い)

  金融危機(銀行の資産縮小) の3点セット

・金融緩和は20〜30兆円/年のドル買いであり、国内への設備投資の増加では無かった。

 

3. 76年さかのぼって、日本の通貨リセット(1946年)を見る

・戦後、日本でも通貨リセットが行われた事が説明されています。

・1世帯500円/月を上限に新円が発行された。

・通貨リセット後の経済の歴史を振り返る

・世界の負債は現在GDP比350%を超えていて、インフレ対策のための充分な利上げができない。金利が払えないため。

量的緩和の本当の意味 →負債の過剰からの破産を先送りするもの

・2022年、2023年は量的緩和が対策にならない →通貨リセットしか方法がないのでは?

 (正直、極端な論だなと思いました)

・2022年から2023年にかけて、80%の確率で世界の株価は下がる。20%はインフレの中の利下げという需要インフレを加速させる方法(これには?マークが浮かびました)

・経済の歴史では、平均13年に1回資産バブルと崩壊が起きている。現在はリーマン危機から13年目

 

5. 今回は、量的緩和ではなく、世界の負債がGDPの350%と大きいので、通貨リセット

ウクライナ危機の後、2024年や25年頃から、(1)通貨リセット、(2)ITとAIによる成長、が起こる。

・日本のマイナスの遺産(1200兆円の国債)を通貨リセットで解消すれば、次世代の成長に入る事は決まりきっている。

量的緩和はもう効かないので、代わりに、ロシアが先陣を切った通貨リセットです(コモディティ・リンクのルーブル

 (ん?いつの間にかロシアは通貨リセットを実施した事になっている?)

・人口で世界の80%が「ドル圏からの離脱」に協賛している。

中央銀行がマネーを増発して経済成長を促す量的緩和は、政府負債がGDPの100%までは有効です。

 (著者は時々言っていますがこれは本当でしょうか?どういう根拠があるのでしょうか?)

・個人の防衛策 →預金の70%を、金35%、スイスフラン35%にしておく。

・日本だけでなく、米国・ユーロ・ルーブル人民元が、CDBCの、金・コモディティ・リンクを通じてリセットされると見ています。

 (ぶっとんだ論だなあという感想)

 

6. 株や証券での裁定取引

・同一の証券に現れる市場間の価格差を利用して、両者の価格が一致するまで自動プログラムが高速で取引する。

・具体例

 日経平均東証)2万7073円、CFD(差金取引)2万7078円、日経平均
先物(大阪)2万7080円、日経平均先物(CME:NY)2万6920円。NY市
場の先物が一番安い。(刻々と動きます。22年4月15日:午後2:50)。

オルタナティブ取引 →株や証券以外の、原油、金、金属、穀物REITを売買するもの。

 

■所感

要約が長くなってしまいました(要約が、ようやく終わった^^;)

所感としては、

 ・通貨リセットの論は極端すぎるんじゃね?

 ・裁定取引がどういう物か分かったけど、なんでこれで金リンク制が現物金無しに実現できるのかは分からないまま

です。

 

でも、参考にすべき点もいくつかありました。

・円安は加速しそうである事

 これは前々から思っていて、ウクライナ後に原油ETFを買ったりして現金を一部減らしては来ました。が、日銀の指値オペの話を聞いてもう日本円は最小限にまで減らした方がいいなと感じました。インフレ局面で金利を抑えるのであれば、通貨価値は落ちるしかないです。

 

・西側メディアが言うほどには、ロシア制裁は効いていないという視点を持つ事

 インドがロシアから原油を割安で買う契約を結んでいるとか(ソースはこのメルマガだったかもしれません)。当然支払いはルーブルか元で、ドルでは無いでしょうから、結局国際通貨としてのドルの地位が下がることになるでしょう。

 インド投資を考えようかな。10年来、新興国インデックスファンドを積み立て購入しています。ロシア企業も一部組み入れられていて、ルーブルのSWIFT排除の時は大きく下がりましたが、今は持ち直しています。それがリアルな現実なのだと思います。

 

・経済の歴史では、平均13年に1回資産バブルと崩壊が起きている。現在はリーマン危機から13年目

 未来は過去の延長線では無いはずですが、ここらで何かありそうな予感はちょっと賛成かな。

 

・「20%はインフレの中の利下げという需要インフレを加速させる方法」

 これはどういう意味でしょうかね?インフレ中に利下げって、今回の日銀の指値オペがそれなんじゃないの?

 シンプルに考え直すと、「需要が大きい事でインフレとなっている状態で金利を下げると、設備投資や不動産投資が爆発的に大きくなってバブルになる」ならあり得ると思います。それにはデマンドプル型のインフレであるという前提が必要なので、結局よく分かりませんね。

 

ここまで書くのに一時間半かかりました。

情報発信の練習の意味でも始めたブログですが、文章を書くのは中々大変ですね。精進していきたいと思います。

 

では今日はこの辺で。